逢わせ屋~美形霊媒師に恋をして~

アルは黙って椅子から立ち上がると、ゆっくりとドアの近くまで行き、
照明のスイッチを入れた。
明るくなった部屋の中を、またゆっくり歩いて椅子に戻り、腰をおろす。

そこで初めて彼の顔をはっきりと見た夏海は、その美しさに息をのんだ。

色の白さはセイと同じだが、化粧を施したような弟の肌に対し、
兄のほうはまるで透き通るような、日本人離れした肌の色をしていた。

肩のあたりまで伸びた栗色のストレートヘアが、
やや面長の顔の右側にふわりとかかっている。
筋の通った鼻の両側で、長いまつげに縁どられた切れ長の目が、
じっと夏海を見つめていた。

――まるで彫像のようだわ。

さらに夏海が驚いたのは、部屋の片隅に高さ一メートルぐらいの
止まり木があって、その上に
体長四~五十センチほどの鳥が乗っていたことだ。

頭は白く、背中は魚の黒いうろこを一枚一枚茶色く
縁どったような配色をしている。

真っ白な腹にぽつぽつと茶色の羽が混ざっていて、
雪解けが始まったばかりの北国の山の斜面を思わせた。

太いがっしりとした両足で止まり木を掴んだまま、
黒いつぶらな瞳でじっとこちらを見ている。

鳥は完全に気配を消していたので、
室内が明るくなるまで彼女は全く気付かなかった。