逢わせ屋~美形霊媒師に恋をして~

アルは話を続ける。

「亡くなった家族やペットが夢の中に現れたという話を、夏海さんも
聞いたことがあるでしょう。

しかし残念ながら、せっかく夢に死者が現れても、たいていは黙っているだけ。
あるいは一方的にひとことふたこと、何か話してすぐに消えてしまう。
細かいコミュニケーションをとることは、まず不可能です。

これはお互いの霊的なエネルギー不足がおもな原因ですが、
特別な能力を持たない大多数の人間には、しかたのないことです」

そこで彼は一息ついて、セイが淹れてくれた茶を一口飲んだ。

夏海も「いただきます」と断ってグラスに口をつけた。
優しい味と香りが、じんわりと沁みてくる。