逢わせ屋~美形霊媒師に恋をして~

アルはじっと夏海の顔を、というより夏海の心を見つめているようだ。
やがて彼は口を開いた。

「では、あらためて私からご説明させていただきます。
私の仕事は、あの世とこの世の架け橋となり、
生前に伝えられなかった死者の声を残された人々に届ける、
というものです。

一般的には霊媒師とか霊能力者とか呼ばれています。

しかし最近はあまりにもニセ霊媒師が多く、依頼者の悲しい気持ちに
つけ込んで多額の金銭を要求し、いいかげんな”死者の声”を
適当に作り上げるヤカラが後を絶ちません。

本物としては多大な迷惑をこうむっているのです」

アルはそこで言葉を区切り、小さくため息をついた。
ニセ物に対して心の底から怒りを覚えているようだ。

「そこで私は自分が本物である証明として、独自の方法を
とることにしました。

依頼者を夢の中で死者と再会させ、
当事者どうし直接会話してもらうのです」

その時、開いたままのドアをノックする音がして、
ふたたびセイが現れた。

「失礼します」

彼はアイスティーのグラスを二つテーブルの上に置くと、
夏海に勧めた。

「ハチミツ入りのカモミールティーです。冷たいうちに、どうぞ」

「ありがとう」

夏海が礼を言うと、彼一礼し、静かに部屋を出ていった。