逢わせ屋~美形霊媒師に恋をして~

また、タダ働きになったんだな、とセイは思った。

依頼者が男であろうが女であろうが視線ひとつで相手を魅了し、
たぐいまれな能力で問題を解決する兄。
ただ一つ困ったことは、しばしば依頼者に情が移って、
報酬を受け取り損ねてしまうことだ。

――まあ、いいや。

タダ働きの相手が、夏海さんや篠塚のおばあちゃんのような女性なら。

「いただきまあす」

セイはパンプキンプリンにスプーンを差し込むと、
崩れ落ちそうなほど大盛りに掬って、そろそろと口に運んだ。

「おいしー」

「篠塚さんとこのお泊りは、楽しかったか」

「うん、焼き肉をごちそうになったよ。
部屋が十個以上もある大きなお屋敷で、庭に池まであるんだよ」

そりゃ相続税が大変だろうな、とアルは思いながら、
合掌してプリンを一口食べた。

――あまっ。

テーブルの上でコスモスの花が揺れた。

<了>