逢わせ屋~美形霊媒師に恋をして~

その時、重たげな足音が近づいてきて、寝起きのアルがキッチンに姿を現した。
いつも通りのボサボサ頭で

「おあよ」

と弟に声をかける。

セイは何も知らないふりをしてきいてみた。

「もうお昼すぎだよ。このプリンどうしたの」

「ええと・・・実は夕べ、急に夏海さんが来て、この前の仕事のお礼にと
晩メシを作ってくれた。プリンは手土産だ」

アルは冷蔵庫から冷えたミネラルウォーターとグラスを取り出して、
椅子に腰かけた。
グラスの七分目あたりまで注ぎ、一気に飲み干す。

「へーえ、急にね。もしかして、泊まっていったの?」

「何考えてる」

グラスを置いた手で箱からプリンを二つ、わし掴みにすると
一つをセイの前に置き、もう一つを自分の前に置いた。

「食事がすんだら、ちゃんと帰らせたよ。また来るかもしれない。
今度はお前と三人で食事したいそうだ」

セイはじっと兄の目を見つめた。

「なんだよ」

ウソを言っているようには見えない。
本当に、食事だけで帰してしまったようだ。

「ううん、別に」