逢わせ屋~美形霊媒師に恋をして~

「どうしました?」

「あ、あの・・・わたし、ハンバーグを食べたばかりで」

「私も食べましたが」

「男の人は、いいです。でも女の子は、きれいにしておきたいんです」

アルはけげんな表情で、少し顔を離した。

「大翔君とは、カレーを食べたあとでキスしていたでしょう。
彼とはよくて、私とはいやなんですか」

口元を隠したまま、夏海は首を横に振った。

大翔とは二年近くつきあううちに、
お互いになんとなく一体感のようなものができて、
食事のすぐ後でも平気で唇を重ねられるようになった。

だがアルとは、これがまだ二回目だ。

「いやじゃないけど、あなたには・・・
一番きれいな状態で触れてほしい。

わたし、口の中に絶対、デミグラスソースの味が残ってます」

「夏海さん」

アルは彼女の唇を覆っている右手をつかむと、
やすやすと引き離した。

「いやっ」

入れ替わりに夏海は左手で口元を隠そうとしたが、
それもむなしい抵抗だった。

「たとえギョーザのタレの味が残っていても、全然大丈夫です」

ふたたび男の顔が下りてきて、夏海の唇がふさがれた。