逢わせ屋~美形霊媒師に恋をして~

駅のホームで電車を待っていると、先に反対側のホームに電車が入ってきた。
客の乗降が終わり、軽快なメロディを合図に電車が動き出すと、
ホームの上で数人の客が、改札口へ通じる階段のほうへ
歩いていくのが見える。

その様子をぼんやりと眺めていたセイは、
客の中に見覚えのある横顔を見つけて、
思わず「あっ」と小さく叫んだ。

――夏海さん。

きょう彼女がうちに来ることは全く聞いていない。
何か急用ができて、アポなしで突然やってきたんだろうか。

よく見ると、夏海は片手に大きなスーパーの袋を下げていた。
袋の口からホウレンソウらしき緑色の葉先がのぞいている。
他にもいろいろと食材が入っているようだ。

彼女はもう片方の手に、小さなボストンバッグをさげていた。
セイが持っているのと同じぐらいの大きさで、
一泊の旅行にちょうど良さそうな・・・。

――あ、そうか。

そこでセイは初めて、事の次第を理解した。