手紙を小さくたたんで袱紗に包み、アルがそうしたように
ビニール袋に入れて

「これ、ご主人様に届けてくれる?」

おそるおそる、ヒミコのたくましい脚にくくりつける。

慣れない作業で夏海はもたついたが、
そのあいだヒミコは暴れることもなく、辛抱強く待っていた。

どうにかこうにか荷物がとりつけられると、
ハヤブサは主人の待つ部屋を目指して飛び立った。


       *


昼過ぎに夏海のスマホが鳴った。
見なくても、すぐにアルからのメールだとわかる。

ドキドキしながら開封すると、短く

    ”土曜の夜、お待ちしています”

とだけ書かれていた。