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翌日。
朝食を済ませた夏海は、二階の自分の部屋で机に向かっていた。
二年間飾ってあった大翔とのツーショットの写真は、
今朝目が覚めると同時に、引き出しの奥にしまい込んだ。
スマホに残っていた画像もすべて削除した。
自分でも薄情だと思うが、昨夜の彼の殺人鬼のような形相を思うと、
当分、大翔の写真は見たくない。
大翔の影が消えた心の中を、当然のようにアルへの思いが占めた。
昨夜、彼ひとりが助かるチャンスはあったのに、
最後まで自分を見捨てずにいてくれた。
はじめのうちは、ズケズケものを言い、こちらの弱いところを
楽しみながら攻めてくるイジワルな人、という印象だったのに・・・。
つくづく自分は男の他人を見る目がない、と夏海がため息をついたとき、
ベランダの柵にヒミコが舞い降りた。
