逢わせ屋~美形霊媒師に恋をして~

アルと夏海とヒミコを乗せて、バスは走り出した。
夏海は窓の外の、二度と見ることのない景色を
名残惜しそうに眺める。

「アルさん」

彼女はそのまま、アルのほうを見ずに話しかけた。

「はい」

「わたし、ちゃんと約束を果たしに行きますね」

「約束?」

「一晩、あなたの・・・」

その先の言葉がどうしても口に出せない。
しばらく待ったが、男の返事はなかった。

思い切って夏海がアルのほうを振り返ると、
左腕にヒミコを乗せたアルがこちらを見ている。

ゆっくり彼の唇が動いて、何か言いかけた。


そこで夏海は夢から覚めた。