「藤沢さん?」
部屋の中から、中学一、二年生ぐらいの小柄な男の子が顔を出した。
サラサラのおかっぱ頭、大きな瞳、化粧でもしているような白い肌に
小さな唇のピンク色がよく映えている。
声を聞かなければ女の子と間違えてしまいそうな美少年だ。
「はいっ、藤沢夏海ですっ」
不意をつかれたのと、少年の美しさに驚いたのとで、夏海の返事は
裏返ったようなかすれ声になってしまった。
「どうぞお入りください」
少年は表情一つ変えず、夏海を室内に招き入れたが、その声は
あきらかに笑いをこらえている。
「・・・お邪魔します」
ドアを閉めると、夏海は小さな玄関で靴をぬぎ揃え、
少年の影を追うようにして薄暗い廊下を進んだ。
「こちらへどうぞ、兄は奥の部屋でお待ちしております。
ボクは弟のセイ。兄の家政婦・・いえ、助手をつとめています」
部屋の中から、中学一、二年生ぐらいの小柄な男の子が顔を出した。
サラサラのおかっぱ頭、大きな瞳、化粧でもしているような白い肌に
小さな唇のピンク色がよく映えている。
声を聞かなければ女の子と間違えてしまいそうな美少年だ。
「はいっ、藤沢夏海ですっ」
不意をつかれたのと、少年の美しさに驚いたのとで、夏海の返事は
裏返ったようなかすれ声になってしまった。
「どうぞお入りください」
少年は表情一つ変えず、夏海を室内に招き入れたが、その声は
あきらかに笑いをこらえている。
「・・・お邪魔します」
ドアを閉めると、夏海は小さな玄関で靴をぬぎ揃え、
少年の影を追うようにして薄暗い廊下を進んだ。
「こちらへどうぞ、兄は奥の部屋でお待ちしております。
ボクは弟のセイ。兄の家政婦・・いえ、助手をつとめています」