逢わせ屋~美形霊媒師に恋をして~

「夏海さん」

「はい」

「さっきナイフの刃が当たって、首が少し切れていますね。
血もにじんでいる」

「・・・」

彼女は目を開けた。
アルの顔は夏海の唇を通り過ぎて、のどのあたりを覗き込んでいるようだ。

「でも、心配ありません。
明日の朝あなたが目覚めた時には、きれいに消えているはずです」

「あ・・・はい」

別の展開を予想していた夏海の顔が、みるみる赤くなった。
アルは気づかない。

続いて彼は、大翔がつかんでいた腕のあたりを調べた。
くっきりと跡が残って、赤みを帯びた紫色から、
不吉などす黒い色に変色しかかっている。

「これは・・・しばらくのあいだ残るかもしれません。
あなたに対する大翔君の念が、相当強いようです。

明日の日曜日は家にいますか?」

「はい」

「では、ヒミコを使いに出しますので、
午前中は部屋の窓を少しあけておいてください」