逢わせ屋~美形霊媒師に恋をして~

「あの、トンビ野郎」

ヒミコは空中で旋回して方向を変え、大翔の頭めがけて急降下してきた。
鋭い爪でふたたび男の頭に襲いかかる。

「あいてっ!」

大翔はハーフパンツのポケットから果物ナイフを取り出した。
鞘を捨て、夏海ののど元に刃を突き付けると、
ヒミコに向かって怒鳴り声をあげた。

「トンビ!邪魔するな!」

「ヒロくん、何するの」

「あの男が邪魔したら使おうと思って、厨房にあったナイフを
隠し持ってたんだ。
まさかトンビに邪魔されるとは思わなかったが」

さすがのヒミコも、夏海を人質にされては手が出せない。
空高く舞い上がり、いったん姿を消した。

その時、二人の目の前に別のバスが現れた。
ドアが開いて、アルが慎重に降りてきた。

「大翔君、落ち着きなさい」

「近寄るな!」

大翔が夏海ののど元に軽く刃を当てた。
ほんの少しでも動いたら切れてしまいそうで、彼女は生きた心地がしない。