逢わせ屋~美形霊媒師に恋をして~

驚く彼女を無視して、大翔はどんどん車道のほうへ近づいていく。

「ヒロくん、わたし乗らない」

夏海は必死で振り払おうとしたが、男の腕はまるで手錠のように、
しっかりと彼女の腕に食い込んで離れなかった。

「お前だって、最初はそう言ってくれたじゃないか。
一緒に乗ろうって」

「いやっ!いきたくないっ!」

「やっぱり、あの男が好きなのか」

「・・・」

突然、大翔の頭の上をかすめるように、黒い影が猛スピードで飛んできた。
二人とも反射的に中腰になって頭を下げる。

「いてっ!」

彼が空いたほうの手で頭を押さえると、深い切り傷が刻まれていた。
ヒミコが羽を広げて上空へ舞い上がるのが見える。