思わずムス、と俯いた。嫌な気持ちになった時、いつも私はこうしてしまう。
「優、来たよ〜。調子はどう?」
用を終えたのであろうおばさんの声に、びくりと体が震えた。
「母さん!」
「こんにちは、おばさん」
「あら、綾花ちゃん!こんにちは」
依然として優と近距離で談笑する綾花ちゃんと、そんな二人に笑顔が引きつる私を交互に見たおばさんは、ニヤリと笑って小声で耳打ちしてきた。
「優はね、実はああいう女の子より、雨美ちゃんみたいに自分を引っ張っていってくれる子が好みなのよ。応援してるわよ、頑張って!」
「っ?!!」
声も出ず目を見開く私と、わざとらしくウインクするおばさんに優は不思議そうに言った。
「なになに、内緒話〜?教えてよ!」
「教えるわけないでしょ!秘密よ、ひ・み・つ」
そう言ってぽんと背中を叩かれ、気付くとムカムカした気持ちは消えていた。
「・・・そ。内緒だよ」
