「綾花ちゃん、こんにちは」
「こんにちは!あれ、優くんは・・・?」
疑問符を浮かべながらこて、と首を傾げる姿に私はまたもや心を射抜かれた。
そこらのモデルや女優なんかよりずっと整った顔立ちで、何より明るくて優しい。友達もたくさんいるようで、男女問わず雨美ちゃんの病室にはいつも笑声が響いていた。
私はと言えば顔立ちこそ悪くはない(はず)だが、基本喜怒哀楽を表情に出さないため冷淡なイメージしか持たれない。友達と言えば優ぐらい。あぁ、比べるだけ無駄だった。もう嫌だ。
「ふあ〜・・・あ、おはよう〜・・・」
「おはよう優くん!あ、寝癖ついてるよ〜?」
顔を洗い終えて戻ってきた優はまだ寝ぼているようで、綾花ちゃんに髪を弄られていても惚けている。
何なんだこいつ。頭から氷水でもかけてやろうか。でも好き・・・って何を言う、私。
惚れた弱みとは正にこのことだろう。何かにかけて「好き」という言葉が私の邪魔をする。
なんて不毛以外の何物でもないことを考えながら、端から見たら恋人同士にすら見えるほどイチャつく二人を見ていた。
優のこと一番心配して、一番傍にいたのは私なのに・・・。
無垢な心で笑い合う二人に嫉妬なんて、自分も随分子供になったな。
