「紗綾ちゃん、ちょっと来てくれる?」


  「あ、わかりました~!  眞白、またくるからね。じゃあ、またね」



  眞白のお母さんに呼ばれて入ったのは眞白の部屋。


  「眞白がいたときのまま...」


  部屋を見渡しても、変化はなくて。


  唯一、変化があるとしたら眞白がいないこと。


  「昨日、少し部屋を見ていたの。そしたらこんなものがあって..」


  ピンクと白の水玉の箱。


  「これって...」


  「紗綾ちゃんとの思いでが詰まった箱よ。帰ってからじっくり見てね、これは紗綾ちゃんにあげるから..」

  「ありがとうございます..っ!」


   受け取って、すぐに抱きかかえた。
 

  「お邪魔しました。」

  
  帰り道、思い出すのは眞白のこと。


  たくさんの笑顔。青空を見上げれば、この広い地球の中で眞白に出会えたことがキセキすぎること。

  出会えたことに、ただただ感謝。


  翔、両親、眞白...大切な人に出逢えて私は幸せです。