「紗綾ー!写真とろっー!」
「あ、日菜子!あれ…篠田は?」
実は、日菜子と篠田は一年生の終わり頃に付き合い始めた。
「それがさあ…部活の後輩に人気ありすぎて、おいてきた」
「大変だね…あ、写真とろっか」
私は、近くにいた後輩を呼び、日菜子と並んで写真を撮ってもらった。
お礼をいって、日菜子と写真をみた。
「日菜子、バカ面っ!これ大事にしよっと!」
変顔で写っている日菜子。
「紗綾が普通すぎるんだよー?」
それに比べて私は、ピースを決めて笑顔で写っている。
でも、これが定番じゃん?
「紗綾、大学行くんだっけ?」
「行かないよー!義務教育と高校だけで勉強は充分だよー」
「そっか…私ね、北海道の大学に行くことになったんだ」
「え…?」
「翼も一緒に行くの。紗綾、またいつでも会おうとしたら会えるんだよ?泣かないで?」
大切な親友と、また離れちゃう…でも、日菜子が決めたことだから、私は応援するよ。
「日菜子、勉強頑張って!ずっと、応援してるよ!」
「ありがとうっ!紗綾、大好きだよっ!」
日菜子が強く抱きしめてきて、正直苦しいくらい。
「苦しいって…あ、日菜子!彼氏さんが迎えに来てるよ〜」
向こうから走ってくる篠田。
「じゃあ、私お邪魔しちゃうから行くねー!また、会おうねっ」
「邪魔じゃないのに…でも、気使ってくれてありがとっ!じゃあねっーー」
だんだん小さくなって行く日菜子と眞白を一瞬だけ重ねてしまった。
親友……大切なものは失ってから気付くもの。
でももう、間に合わないし…会うことさえも出来なくなってしまった眞白。
でも、いつでも会えるような気がするよ。
いつでも眞白は、私の心の中にいてくれるから。
懐かしい…忘れたくない、大切な思い出と一緒に、一生の宝物として…いつでも、輝いているから。