「あはは・・・。また明日も来なくちゃ行けないねぇ~。部活の顧問の先生も大変だね!」
要が苦笑いしているとき、私は不機嫌になりながら帰る準備をしていた。
あのくそジジイ。こっちはこの暑い中、40分掛けて来たんだぞ。それなのに、30分で帰れとはどういうことだ。ただでさえ、外に出ることに抵抗感がある私にこんな風に、家と学校を行ったり来たりさせるなど、1ヶ月間、飲まず食わずでいろと言っていることに等しい。あのくそジジイにはいつか制裁を与えなければと思っていたとき、要が私の顔を覗きこんで言った。
「ねぇ、麗華ちゃん、今、凄い顔になってたけど、大丈夫?」
ハァ?何言ってんだ?
「・・・どんな顔してた?」
「・・・なんか、今にも誰かを殺してやる!って顔。」
・・・そんな顔になってたのか。確かに、それに近いことは思っていたけど。しかし、私にとって貴重な友達である要にそんな怖い顔、見せてはいけない。すぐ顔に出てしまうことを少し反省した。それから、何秒間か沈黙が続いた後、さっきから思っていたことを聞いてみる。
「・・・要ちゃん・・・明日も来る?」
返事はあっさりしていた。
「もちろん!補習が終わるときは2人一緒だよ!」
・・・なんだろう。要の返事は普通のものだった。なのに、学校という存在、友達という関係など、あんなに嫌だったことが今は少し好きになれた気がする。
こんなのも悪くないと思いながら私は要と教室を出た。