「白倉!雪崎!」
30分たってようやく担当の先生が来た。・・・なんだろう。いつものんきな中年親父が今日は様子が変だ。
「・・・先生?」
気味が悪いので、話しかけてみると、苦笑いしながら話し始めた。
「あ~・・・わざわざ来てくれたところで悪いんだが、今日、俺部活の試合でさぁ~。今から行かなくちゃいけねえから、帰ってくれる?」
「・・・。」
いきなりだった。こういうとき、なんて言えばいいんだ?普通は、ああそうですかで納得するのか?代わりの先生はいないのか?こいつがいなくなれば、補習授業も強制的に終わりなのか?
「あっ、ごめんけど時間だから行くわ。」
さっきの苦笑いはなんだったのかと思うほど、先生はいつも通りののんきさを取り戻し、私達の疑問や返答を待つこともせず、バタバタと教室を出た。