「・・・こんにちは。」
「こ、こんにちは!」
低く、落ち着いているが、どこかぬくもりがある女性の声と挨拶をあわてて返している高く、幼い私の声が森中に響いた。すると、女性が私に向かって言った。
「君はどうしてここにいるの?」
「・・・わからない。」
答えられなかった質問を今度は私が聞き返す。
「お姉さんこそ、なんでここにいるの?」
「・・・わかっているけど言わない。」
その答えは不思議には思ったが、何か深い理由があると察し、それ以上は聞かないことにした。
・・・沈黙が続く。暗い。早く帰りたい。もしかしたら、この女性が帰り道を知っているかもしれないと思い、思いきって聞いてみた。