ここが放送室・・・。
私は足元に気を付けながら、慎重に放送室の床を踏んでいった。すっかりガラクタ置き場となり、ゴミもすごい。ここから全校に声を届けるであろうと思われる放送機具もホコリをかぶってしまい、電源のボタンすらもわからない状態だ。放送は職員室でもできるので、わざわざ、先生達はここに来る必要もないと考えたのだろう。
「ねぇ、白倉さん!ここにスタジオってあるよ!」
八尋は入れて嬉しいのか、さっきから激しく動き回っている。
「あんまり、見ない方がいいと思うけど・・・」
私の忠告にも耳を貸さず、八尋はスタジオと書かれた部屋に入っていた。
「白倉さーん!なんか、ここ、すっごい感じるよ!」
嫌な予感はしながらも、私は薄暗い奇妙な「スタジオ」に足を踏み入れた。