「綾瀬冬香より?」


「ああ…」


「北川愛子より?」


「ああ…うちの子が100倍。いや…1000倍可愛い」


「ハハハ…」


甲子園に出場できなかったお前は俺に言っただろ。


『どんな形でも絶対この夢を叶えてやる』って。


「夢は…もういいのか?」


「はっ? 夢? 何の事だ?」


その夢はもう叶えなくていいんだな。


「いいや。何でもない」


「何でもないって…何だよ…」


「良いから、飲め」


俺はもう罪悪感を感じなくていいんだな?



そうなんだよな?


―終わり―