「うん。知ってるよ。見た事あるもん」


春休みや夏休みの時にお父さんが毎日のようにテレビで見てたから。


「その…甲子園にね。出場するのが、おじさんと君のお父さんの高校生の時の夢だったんだ」


「へぇ~そうなんだぁ~。
叶った?」


私のその質問に和おじさんから笑顔が消えた。


「……いいや。叶わなかったよ」


「どうして?」


「友達がたくさん打たれて、たくさん点数を取られたんだ。
君のお父さんがたくさん打って、たくさん点数を入れて、頑張ってくれたのに。
夢を……叶えられなかったんだ」