夏の思い出

 優也が出て行った次の日、別にすることもないからゴロゴロしてた。


 あんなに読みたかった本も、今は読みたくない。


 なんだかんだ言って、優也といる時間は、楽しかったんだね。今になって、気づいたよ。


 ―プルルル―


「もっしもーし。」


「何そののんきな声!!こっちは、仕事で忙しいんだから、奈津美も、しっかり勉強しなさいよ!!」


 お母さんだった。うざいなぁ。今、そんな気分じゃないんだけど…まぁ相手をしてやろう。


「夏休みの宿題は終わったよ。」


「あっそう。そんなことはどうでもいいのよ。今日は仕事をあんたに持ってきてあげたのよ。」


「はぁ!?仕事?やだよ!」


「しょうがないじゃない。だって、この仕事は、奈津美が一番適してるんだから。」


 仕事がいやだから、一人暮らししてるのにぃ。


「えぇ~やだぁ~」


「お小遣いは、多めにするから。ねっ!」


「…わかった。」


 ちょうど、お金が足りなかったからね。


「仕事の内容は?」


「幽霊探しと、悪霊退治。退治のほうは、かなり強いから気をつけて。」


 なんか悪い予感。


「もしかして、その探す幽霊の名前って、山田優也?」


「あら、知ってたの?そうよ。なんか、その人に伝えたいことがあるらしいわよ。」


「依頼者ってどんな人?」


「かわいらしい女の子だったわよ。たぶん彼女よ。その他の資料は、パソコンに送ったから見てね♪」