いよいよ、別れの朝。


 待ち合わせ場所の学校へ行く。学校の前で術をほどこす。


 時間が近づく。それと共に、涙が出てくる。笑顔で送ろうと思っていたのに、無理そうだった。


「時間だよ。行きなよ。」


「うん。じゃあ行ってくるね。」


「あと一つ。大好きだよ。」


「おう。ありがとな。」


「ちがう。友達的な意味じゃなくて、優也に恋したの!!」


「え!!嘘!!」


「じゃあね。」


「え?え?」


 優也は、何回かこっちを振り返っていたけど、やがて、あきらめたのか、それもやめ、普通に歩き始めた。


 みかさんと優也が何を話したのかは、知らない。しかし、「ありがとうございました」と言った、みかさんは、清々しい可愛い笑顔だった。


 その後、優也が私の前に現れなかったからきっと成仏したのだろう。私はみかさんほど大事に想われていなかったことを残念に思ったのを覚えている。