話をかえよう。


「優也って、成仏したいの?」


「違う。なんか、記憶がなくて…でも、成仏してないってことは、心残りがあるってことだろ。だから、それが見つかるまでは、消えたくない。」


「あぁ、そう。じゃあがんばってね。」


 いやな予感がするので、窓を開けて、出て行くことを要求する。


「と、いうことで、俺の記憶探しのお手伝い、よろしく♪」


 予感的中。


「どういうわけよ!」


「幽霊だと、出来ることが少ないから、俺の声が聞こえて、見える、奈津に手伝ってもらえば、楽かなっと思って。」


「思わないでほしかったよ…それに、なんであんたに呼び捨てされなくちゃいけないのよ!」


「奈津だって、さっき『優也』って言ってたじゃん。」


「うっ、それを言われると弱い……」


 山田って学校に2、3人いるから下の名前で呼び捨てしちゃうんだよね…。


「俺の記憶探し、手伝ってくれるよね?」


 これを続けていたらきりがなさそう。よし!私が大人になろう。そして、さっさと成仏させよー。


「しょうがない。手伝ってあげるよ。」


「おぉ、ありがとう。」


 と、いうことで私と優也の記憶探しが始まったのだった。