「今日は祭だよ♪」


優也といられるのがあと三日目に迫った今日の朝早く、私がゆっくりしていた優也に向かって放った一言である。


そして、今は午後5時。祭が始まる時間だ。


「優也ーまだー?」
私は準備ができていなかった優也を玄関で待っている。


「ちょっと待って。あともう少し。」


あまりに遅いので、部屋まで見に行くことにした。


部屋に入ると、パソコンとにらめっこしている部屋着姿の優也がいた。


「まだ着替え終わってないの?遅くない?女より遅いって、どういうことよ。普通、男が待つんじゃないの。」


「しょうがないだろ。じんべいなんて、なかなか見るものじゃないんだから。イメージができないんだよ!」


優也は、幽霊なので、自分がイメージした服を着る。そのため、優也にイメージ出来ない服は着ることができないのだ。


「だったら、午前中あんなにゴロゴロしてないで、早めに準備すればよかったじゃん!」


「俺をトランプ地獄に巻き込みやがったのは誰だよ!」


「ゔ……それは私が悪かったけどさ、悪かったけどさ。」


だって、午前中暇だったんだもん。何かしていないと落ち着かなかったんだもん。遠足の日の小学生みたいな気分だったんだよ。ソワソワしてたんだよぉ。


「よし、行ける。」


優也はそうつぶやくと、目をつむる。そして、キラキラと光だすと、次の瞬間にはじんべい姿になっていた。


「おー上手いじゃん。」


もう少し変なところが出ると思ってたのに、完璧だった。


「だって、少しでもおかしいと浮くじゃん?」


「そんなにわからないと思うけど……。ひとまず、歩こう。」


私たちは歩き始めた。


「それに、いつ、みかに会うかわかんないしさ。」