家のある駅につき、優也の手を引いて、電車を下りる。


 その瞬間、優也が文句を言ってくる。


「なんで、術をかけてくれないんだよ。」


「無理でしょ。あの場所で実体化したら、周りの人が怖がるよ。」


「で、でも…。」


 何も言い返せないようだった。


「一週間待てば会えるんだから、それまで待ってよ。」


「いやだ、明日会いたい!」


「一週間待ってよ。」


「いやだいやだいやだ!」


「待ってよ!」


 最後の方は涙声で、強くなってしまった。


「ギリギリまで、一緒にいてよ!なんで私から離れて行くの!?なんで私じゃないの?!ずっと一緒にいようよ!そばにいてよ‼︎‼︎」


「そっか、お前…」


 ヤバッ。もしかして、恋心バレた?


「お前…わかった。一週間、待ってやる。やっとできた友達がいなくなるのは寂しいからな。」


 バレてない。よかったような、残念なような……鈍感。


 何はともあれ、一緒に一週間いてくれることが決まりました。