「りょーかい」


 電話が切れる。


 さぁ探してみますか。


 私の能力の一つに幽霊探知というものがあり、幽霊の顔、名前を同時に思い浮かべることで、そいつがどこにいるかがわかるのだ。

ね、すごいでしょ。


 顔を思い浮かべ、名前を言う。


「山田優也!!」


 すると、この近くの保育園が出た。早速、行ってみよ。


 到着。ついでに発見。保育園のなかを眺めている。なにやってんだか。


 園長さんに許可をとり、中に入る。


「優也?」


「うぉ!!奈津?なんでおまえがここに?」


「依頼よ、依頼。あんたと、しゃべりたい人がいるんだって。まぁそれまで時間があるから、私の家に来てもいい。」


「お~ありがとう。昨日、寒かったんだよね。」


 夏なのに…。


 でも、よかった。追い出したこと、怒ってない。


「帰る前に、悪霊退治、付き合ってくれない?優也は見てるだけでいいから。」


「いいよ。」


 ふたりで、依頼先の家へ向かう。


「なんか、自分のこと思い出した?」


「うーん、微妙。なにかを心配してるみたい。」


「そっか。そういえばさ、優也って、私の2才年上だったんだね。」


「えっ、奈津って、高1だったの?!てっきり、中2だと思ってた。」


「ひどい。気にしてるのに…」


 そう。私のコンプレックス、背が低いこと。


 そんなことを話している間に、目的地についた。


「さっさと終わらせよぅ。あ、優也は下がっていてね。一緒に成仏させちゃうと困るから。」