あの夏の向こう側--君と見た全国大会--





「琴、どうする?」

「えっ、何が?」


気がつけば五十嵐先生は教室からいなくなってた。


「宗の補習。部活単位ってことは、多分赤夜も危ないんでしょ。」

「なるほど。冬休みの1日使う?それか午前中は練習で午後からとか?」


「1日の方が宗達にはいいかも。」

「じゃあ私、後で入谷先生と話してみるね。日にちとかは、またあとで知らせるってことでいいかな?」

「うん、ありがと。琴。」


閖志くんにお礼を言われる筋合いなんてないのに。
マネージャーとしてはこれくらい普通だと思ってるから。むしろ、もっと何かしたいくらい。



宗介くんは相変わらず起きなくて、午後の授業を知らせる鐘が鳴った。




午後練の時に入谷先生のところに行って、日程決めて。

それから新しい練習とかしたいな…。
やっぱ難しい?

赤夜くんは明日からだから、とりあえず今日は2人でできることか…。
いつも通りしかないか。



ぼんやりと外を眺めながら、午後の予定を考える。




先生の声が遠くに聞こえて、気づいたら眠りについていた。