外周20周。校庭40周。体育館を軽く10周。
走りに走った朝練。
宗介くんはさすがに疲れたのか、……いつものことだけど、授業中爆睡だった。
「おーい、そーすけ?そーすけ、起きろー!」
昼休みになったにも関わらず起きる気配のない宗介くんを、担任の五十嵐結城(ゆうき)先生が頑張って起こしてる。
多分、それ以外にも意味があるんだろうけど。
「あー?ゆーきせんせー?なにー?」
「お前さ、そろそろ授業まともに受けないと、真面目に進級出来ないぞー」
まだまだ寝ぼけてる宗介くんに、そんなこと言っても聞き流されるだけなんじゃ…
なにも言わないけど。
……でもそうか、宗介くん、進級できない可能性があるのか。それは困る。
教室で友達と話してた閖志くんもそう思ったのか、閖志くんの方を見たら目が合った。
「お前、3年になる気ないのか?」
「俺今ねみぃの。寝かせて。」
「はぁ……おい、閖志いるか、閖志?」
宗介くんがまた机に突っ伏したから、先生は諦めて閖志くんを呼ぶ。
私は呼ばれてないけど、一応関係あるから先生の元に行く。