あたしの夢は歌手です。 そんな風に胸を張って言えたらすごい楽になるかもしれない。 でも自分に自信がないからそんなことはできない。 「最愛~、眉間に皺寄せない」 「え?」 突然聞こえてきた叶(かなえ)の声に顔をあげる。 「叶...先生は?」 あたしは教室を見回して先生がいないことに気づいた。まだ授業中のはず。 「もう終わったよ、授業」