― ナゼ、オワラナイ。
( …え? )
― ナゼ、オマエラヘノニクシミハオワラナイノダ。
( 憎しみ…? )
― キオクヲケシテモ、センゾノキオクガワタシタチヲオソウ。
( 先祖の…記憶…? )
― ユルセナイ…ユルセナイ…ガタールミンゾク…コノヨニイキテルヤツモ…ミンナミンナ、ワタシタチノテキダ…。
( 何だ、この声は…? )
― ゴセンゾノキオクガ、ワタシタチヘタスケヲモトメテル…、ジンルイメツボウヲ、キタイシテイル…。ソノタメニ、ゾウショクサセナクテハ…スプリットホウヲ…!!
―
……
「レオ、顔が真っ青。どうしたの?」
朝食の時の食堂で合流したミナトと二人で外の空気を吸う。
ルイはアーロンとイリヤとご飯中だ。
「また、変な夢を見た…。珍しく覚えてるんだ。」
「…どんな夢?」
「スプリットに、理性がないと言ってたけど、…全てがすべて無い訳じゃねえみてえだ…。」
「と、いうと?」
「…例えるとすれば、一群。一群のスプリットが、罪もない人間に先祖のガタール民族に向けた憎しみの記憶をばらまき、スプリットを増殖させる。っていう声を、聞いたんだ…。」
「増殖…させるっていうと、そういう事できるのはガタール民族だね。」