「この針は大体1.3mまで伸びる。これを相手の顔に向け、切り裂くんだ。力もいるし、命中率も、集中力も、頭も使う。体力もだ。」
ほぇー、っと呆然とその針を見詰める私を、兵士さんは笑って眺めている。
「スプリットを殺したら、生身の人間まで死んでしまうんだ。例え最愛の街、最愛の国、最愛の人々を殺したスプリットでも、人間そのものを殺してしまうと考えると、殺す方もすっげえ、複雑なんだ…。」
「…霧がないじゃないですか?なぜ、ガタール民族をそんなにも恨む人間が…。」
「100年も前の話だ。何故かなんて、わからない。何十年もスプリットが出現しなかった時代もあるし、出現した時代もある。全滅をさせて、スプリット法を悪用する人間を処罰するのが、本来の目的なんだが…。」
無意味だ、なんて口にできなかった。
この人は心が優しい人だと確信した。
澄んだ瞳をキラキラ輝かせて空を見上げる兵士さん。
