スプリット人格。


ミナトの声と共に、ルイの俺の手を握る力が優しくなる。
バッと手を離し、ニッとルイに笑いかける。

"大丈夫だ″


「…大丈夫です、続けてください。」

充血する目。
肩で呼吸をする俺は、自分の心臓に手を当てた。

忘れるな。俺は、俺は…。

「そう、あれは…―。」

アニィの声を聞きながら、俺は目を瞑り、想像の世界を繰り広げた。