スプリット人格。



「つまり、動物の強い怒りが、魂となり、形となり、人間への逆襲をしているんだ。簡単にいうと、戦争だよ。」

舌打ちをするクウガ小隊を、鋭く睨みつけるミナト。

「その、ガタール民族というのは、どういう人たちの事か詳しく、教えてもらえませんか?それに、あの、空から降って来た火の玉の事も…詳しく…。」

両目を瞑って身体を震わせるルイが、俺の手を握る。
俺も握り返す。

「元は…、そのスプリットというもう一つの人格が生み出せる技術を生みだしたのは、ガタール民族なの。他の民族には決して明かしてはいけない呪いとか、魔術とか、信じられないでしょ?でも、本当にあったのよ。」

ガタール民族は心のいい奴だけだったから、そういうのを悪用する人は誰一人いなかったんだけどな。と、付け加える小隊。

「そう、でもある日、もう100年近く前になるわ。ガタール民族にも憎しみを持つ人々が出て来てしまって、スプリット法をばらまいて、この世界を汚してしまった民族がいたの。」

「この世界に考えられねえ程の悪意を持った民族が居てな。そいつらが流出されたスプリットを悪用して、この世界の人間を、食してやがるんだ。スプリット法を動物に実験したところ、見事に成功したらしいしな。」