身体の力をスッと抜いてみる。

( うわっ! )

一気に身体が下にグンッと下がった。
どうやら力を抜くと、高さを低くできるようだ。

脳みそがグラつく感覚を紛らわすために歯を思い切り食いしばる。

( ん…、……?! )

硬直した。動けなくなった。
元々しづらかった呼吸が、更に苦しくなった。

地上に近づいた俺は、目を見開かせて、自分の腕を抓った。
目に飛び込んだ光景。

海で囲われた見たこともない島は、火で燃え上がっていた。
あの赤いのは、火だったのか…?!

それに、俺が驚いてるのはもう一つ。

「な、なんだあれ……?」

やっと声が出たと思ったら、今度は手が震えた。