火の玉がゆっくりと俺らに向かって降ってくる。

「あぶねえ!!」

俺は訳も分からずミナトとルイと、俺の生身を覆うように飛び込んだ。

ジュウッ!

「「レオ!!」」

火の玉が俺の身体へと直撃した。
身体は透けてるが、しっかりとモノは受け取れるみたいだ。

「…、痛くねえ…。」

俺の背で消えて行く火花は、跡形もなく無くなった。

「レオ、僕、現状維持ができていないのだけど…、何が?」

顔を真っ青にさせたルイが、生身の俺と透けてる俺を見比べて言う。
髪をグシャッと掴むルイの仕草。

「今、この街では何が起きているの?僕らは何から理解すればいいの?街の人は一体どこに?僕らは、このままどうなるの?レオ、君は一体何をして……」

「落ち着いて、ルイ。」

ルイの言葉を遮ったミナト。
俺は火の玉を阻止するように此奴らの頭上に浮かんだまんま、動けない。

今、この時でも、あの未確認生物は生きた人間を探している。