「普通の生活を送るために、俺は学校をやめたんだよ!」
語尾を震わせながらも、母ちゃんの顔を真っ直ぐ見て話す。
母ちゃんの俺の肩を掴む力が、弱くなっていく。
「おかしいだろ?何でこの世界はこんなに汚れてんだ?俺らが生まれる前からこんなんだったのか?なあ、母ちゃん!」
目頭が熱くなる。
どうも昔から感情的になると涙が止まらねえ。
「情けねえと思わないの?母ちゃんみたいな大人はいねえの?俺の父ちゃんみたいな突然消えて辛い思いする子供はそこらへんにゴロゴロいるんだ!何故行動に出さないんだよ!なあ!なんとか言ってよ!母ちゃんッ!」
ボロボロと涙を流す俺の顔を、そっと撫でる母ちゃん。
母ちゃんも涙で顔が濡れている。
