スプリット人格。




目を見開く男に続き、俺はミナトの手元を見る。

「ッ!?」

「何故、生きる意味を見つけようとしないのか、私達子供の頭では考えても考えても見つかりません。 生きてる意味をその酒だというのなら、この世界に不要な生き方なので、私は貴方達を殺します。」

ミナトの手には、しっかりとナイフが握られていた。

「ミナトッ…っ」

ルイが俺の腕を引っ張り、俺を無理矢理座らせる。

「腐ったこの街で殺人が起きても、どうせ止めないでしょう?ついさっき、私のレオが殴り飛ばされた時、こんなに人がいるのに、誰か止めましたか?止めませんよね。」

「な…んだ、こいつ…ら…?」

2人の男が俺らを見て震える。
ビンの酒をぎゅっと握って、俺らの前で翳す。

「真摯な子供の私達の自由権を奪った大人を殺すのが、私の生甲斐です。」

ビュッ、とナイフ握ったミナトが、男の首へと目掛けて突っ走る。
駄目だ…ッ!間に合わねえっ……。