ヒュウウー…


何なんだ、この身体が中に浮かぶような感覚は。

しかも、呼吸がしづらい。
何かに締め付けられてるという苦しさではなく、自然な苦しさだ。

眉間に皺を寄せ、ゆっくりと重い瞼を開いてみる。

( ッ……?! )

目が眩むような真っ赤な光景が目に入った。

( 何だ、これ……?! )

鉄が錆びたようなツンとした香りを放つこの場所。
反射的に鼻をつまんでしまう。

いや、まず第一、俺……浮いてる?