「はっ…この餓鬼、酒を飲むのをやめろっつーんだよ…。」
眉間に皺を寄せ、頬を抑えながらムクッと起き上がる男。
「餓鬼が大人のすることに文句なんざ言うんじゃねえよ、帰ってママの乳でもすってな…!」
ドッと笑いあげる大人共。
片手で顔を覆い、立ち上がる俺。
言ってやる…!!
「テメェらさ!!!何で昼間から働かねえで酒に溺れてんだよ!!」
一瞬にして俺の声で静まり返る。
ピクッと眉を動かし、「あぁん?」と声を上げるこの2人の男。
「可笑しいと思わねえのか…?お前ら家族はいねえのか?身体を張って何故働こうとしねえんだよ!!子供を遊ばせる事もできねえこの街を作り上げたのはお前らなんだろ??帰ってママの乳を吸え??」
今迄溜めてきた怒りが、何かが俺の中からじわじわ込み上げる。
「その母親をなぁ!!お前らのせいで失ってる奴らは少なくねえんだぞ!!何でこんなんで平和だなんてほざいてられんだよ!俺らの未来は?俺らの未来はどうなるんだよ?こんな性根腐った街で育つ俺らはどうなるんだよ!!」
周りの俺らを囲む大人たちが、コソコソと話始める此奴らが…、
目で何かを訴えている。
「ッ…!」
スッ、とミナトが俺の口を押える。
「なにふんだほ!はなせっ・・・!」
「大人が決めたルールを、大人が破り、そのせいで家族を失った。その一人が私です。 貴方達は自分が消耗品だという事を自覚しているんでしょう?」
