「…毎日歩いてばかりで、行く宛が本当にないね。」
「…此処では子供の自由権を与えられてねえに近いもんだから、学校はさぞ荒れているんだろうな。大人も、良いご身分だぜ。」
チラッと横目で辺りを見渡すと、
やっぱり昼間からカードで遊ぶ大人の情けねえ姿。
車の通りを禁止されてるこの街。
勿論通っている。 規則っつーもんを知らねえんだ。
どういったことかな…。こういう国に生まれた俺の運がアレなのか…。
俺の親父も、呑んだくれて、行方不明なのにな。
そんな奴の血が流れていると考えると……、血の気が引く。
この国だけじゃねえ。
…この世界は、汚れてやがる…。
「クソ餓鬼ィ!何だ文句でもあんのかァ!」
声があがる群人を掻き分け、俺とミナトはその中に入っていく。
「餓鬼が堂々と首突っ込むんじゃねえよ!文句あんのかよ!あ?」
「違います…、文句とかじゃなく、貴方方の異論に…ッ」
頬を赤く染めた男2人と、………ルイ?
酒に酔った男の前で、身体を前屈みにしながら何かを必死に訴えるルイ。
