口の中が鉄の味で染まる。
あれ?
この味、ついさっきも味わった…気が…。
「そんな事より、仕方ねえ…。俺は、これくれえの事しかできねえんだ。」
「……、……どこへ行こう?」
「…さあな。」
俺たちの住んでるこの小さな街には、
学校が2つしかない。
勿論、学校費だけで莫大な金がかかる。
補助金があっても、金はかかるもんはかかるんだ。
ほとんどの奴らが学校に通うのだが、俺は普通に勉強して、飯まで食わされ、家で頑張って働いている母ちゃんを思うと、耐えられなくなった。
だから、辞めたんだ。
この街は、とんでもねえ汚れた街だ。
街だけじゃねえ、この国だ。
両者の混血が混在しているこの国の奴らは、短気な奴が多いのか、
いい大人して喧嘩はしょっちゅう。
働かずに昼間から呑んだくれる親父ども。
テメェらに、家族はいねえのかよ………。
俺らの街の地面は、地層と似た構成でできている。
ただ、砂が上を覆っていて、四六時中砂埃が舞う。
