スプリット人格。



「レオ、何を考えてるの?」

「え?」

ミナトが俺の肩を掴み、足を止める。
俺と身長が同じくらいのミナトは、俺の顔を見上げる事も見下ろす事もなく、じっと真っ直ぐ見詰める。

「レオは、何かを考える時、手首の傷を必ず触る癖がある。何かあるなら話してほしい。」

長い髪を風で靡かせながら言う。
目を細め、ミナトをジッと見る。

此奴は、かなりの美人だ。 そして、力が強く、自分の意思が強い。
見かけで判断は、よくねえ。

「別に、何もねえよ。」

「やっぱり、お母さんに言った方がいい。」

「…何をだよ?」