スプリット人格。



何で俺とミナトが此処まで仲良くなったのかは、曖昧で覚えてねえけど、
まあ、俺に友達が全然いないっつーことと、
ミナトもあんまり人に溶け込む奴じゃなくて…みてえな?

まあ、確実に俺とミナトが一緒に居る事になったのは、
此奴の親が死んでから。
一緒に暮らそう、って何度も昔は言ってたんだが、

俺んちの家計を気にして、それは駄目。と否定し続けたんだ。

それで、母ちゃんが、じゃあ泊まりにおいでって、ミナトを抱き締めたんだっけ。
あー…よく、覚えてねえ…。

ふ、と手首の傷が目に入る。
あぁ、そういや、…此奴に守ってもらった時もあったな…。

ミナトの親を轢いた運転手に、俺が殴りかかって、何故か俺がミナトにすげえボコボコにされたんだっけ。
あん時、ミナトに止めてもらってなかったら、運転手の気持ちも知らず、血まみれにするとこだったんだ。

そん時負った傷。
これを見て泣きわめいたのもミナトだ。
オメェがやったんだろ…ってな。