そんな事を考えながら夜道を歩いていた。


と、…?






"…………た……ぃ"





…ん?



"ぃ……………た……ぃ"






空耳?
いや。聞こえる。
消えてしまいそうなほど。小さな小さな声。


いや。




叫び。





まわりを見渡すが、猫一匹いない。




"…き………た………ぃ"



だがこの小さな叫びは確実に耳に届いてくる。


いったいどこから…




周りには誰もいない。ただ街灯にまとわりつく蛾だけ。