次の日。早朝に実家の父親から電話があった。

自分のすんでいるアパートは親戚の伯父さんの所有するもので、おかげで安くすまわせてもらっているのだが、どうやらその伯父が一度回復したと思われた鬱病が再発したらしい。
たまに顔を見せてやれとのことだった。


午前の内に今度は母から電話があった。


伯父が行方不明らしい。実は父からの電話の時にはもうわかっていたらしいが自分にいわなかったのは父なりの配慮だった。



午後になってまた母から連絡が入っていた。授業中で出れなかったので留守電を聞いた。
それはたった一言の短いものだった。


『伯父さんが自殺しました。』



母は泣いていた。