ハンズ

「さっきの人、
千尋サン?」

早くも割り箸を持ち、メニュー表とニラメッコしているぺぃちゃんが俺に尋ねる。

「あぁ。」

千尋が帰ってしまって、上の空な俺。


「巧坊な、
ぞっこんなの。
だから、哲平はかまうな。」


カウンター席を挟んだ鉄板の向こう側からタバコをくわえ、心ここにあらず、な俺をヤレヤレと見つめる弘兄。